「わたしは……、もう話すことなんてないから」
そっぽを向き逃げるように空き教室から出ていく唯花を「待って」と呼び止めながら追いかける。
「なんでついてくるの……っ!」
「唯花が逃げるからじゃん!お願い、話を聞いて」
気がつけば校舎を出ていた。
話がついて、無事に仲直りが出来たらみんなに連絡することになっている。
あれだけ、学校から出るなって言われたのに……。
「唯花待って!」
「なに、しつこ……い…」
目の前に黒い車が停まったかと思いきや、突然中から出て来る不良たち。
この人たち、やばい…。そう思い踵を返すと、ぐいっと腕を引っ張られた。
「君たち霜華のお姫様だよな。こんな無防備でラッキー」
「アンタたち、風華?」
男たちを睨みつけながら訊く。この人たちがもしも、風華ならば狙いはあたし。
そして、必然と蓮のところへ連れていってくれるはず。
「あっれぇ〜?俺らのこと知ってる感じ?じゃあ、話は早いね。柚姫チャンって子を連れて帰るように言われてんだよね〜」
……やっぱり。
こいつら蓮の仲間だ。
「柚姫はあたし。この子は関係ない」
蓮の目的は分かってる。
だからせめて、唯花だけは……。
「ん〜?けど、こんなチャンスねぇ事だし、ちょっと大人しくしといてね」
目で合図すると、いっせいに動く男たち。
「待って、この子は……」
口元に布を当てられ、あたしは簡単に意識を手放した。

