「やだ、けいちゃんったらぁ♡」
そんな呑気なことを考えていたけれど、そういう事じゃなかったみたい。
「柚姫、この跡、何?」
けいちゃんの人差し指があたしの体に触れる。
けいちゃんが指さしていたのは、胸元に付けられたキスマーク。
その跡はひとつじゃなく、首元や胸に複数残っている。
昨日の人、激しかったもんなぁ。
おかげであたしは身体中が痛いけど。
それにさ、あたしはこれから生きていく上でこの体は大切にしなきゃいけないわけよ。
それなのに、商品を傷つけないで欲しいんだが。
「なにって、キスマだよ♡」
多分こういうことを聞いているんじゃない。
だけど、敢えてとぼけたフリをする。
「はぁ…。柚姫さ、本当なにやってんの?徹さんに手出して家追い出されたこと、聞いたぞ。しかも2週間前って……それに、さっきのこともどういうことかちゃんと話せ」
圧のある言葉。
「あたし、髪の毛乾かしてく「柚姫」」
ダメだ…。
これ以上逃げられない。

