「もういいや」
助けを求めるだけ無駄。
あたしには磨き上げた武器がある。
この武器で生きていくんだ。
「柚姫」
低く、怒りを含んだ声で呼ばれる名前。
「家に帰りたくないなら「何も知らないくせに…っ!」」
お説教なんかされたくない。
あたしだって、できることなら普通に暮らしたい。
みんなと同じように、過ごしたかった。
だけど、それを許さなかったのはてめぇら男どもだろうが…っ。
「おばさんに家追い出されて、行くところないの…。SNS使って、泊まらせてくれる相手見つけなきゃいけないの……っ!」
こんなこと、誰にも言えるはずなかった。
なのになんで、けいちゃんに言ってしまったんだろう。
口にした後、はっと我にかえる。

