「みんな…、あたしね、もう耐えられないよ…。みんなが、怖い…ふぇっ……」
自分を偽ることには既に慣れている。
それに加えて嘘泣き。
「柚姫ちゃん…。大丈夫だよ。俺らが守るから」
「おい女子!ガキみたいなことやってんじゃねぇぞ」
「だいたい、柚姫ちゃんと唯花ちゃんの問題だろーが」
男子たちの言葉に、近くにいた男たちも便乗して声を上げる。
…あぁ、ダメだ。
面白すぎて限界。
こんなに都合よく動いてくれるなんて思いもしなかった。
「だから、あたしたちの関係も終わり。唯花とはどーせ復縁出来ないだろうし」
「はぁ?お前ふざけんなよ」
「あんたと付き合えば唯花と別れてくれる。今、あたしたちが付き合うメリットないし」
なんで気づかなかったんだろう。
ううん。気づかなかったんじゃない。
あたしがまだ完璧じゃなかったから分からなかったんだ。
あたしがこの男と付き合うことは、唯花と別れさせるための手段でしかないってことに。
このあたしが、男の言いなり?
笑わせないで。
「柚姫ちゃん、これ先生が渡してって」
「ありがとう♡取りに行くの忘れちゃってたから助かる」
「如月さん、今度の休みなんだけど…」
あたしが仮面を被れば被るほど、男はいいように動いてくれる。
あたしは親友を失ったけれど、代わりに得たものは大きかった。
そうやって次第に、男に愛される如月柚姫は出来上がっていった。

