「歩夢くんのこと好きで付き合いたいからって酷いよ…っ!あたし知ってる。歩夢くんは優しくて、いつも私の事思ってる!彼が騙すはずない…っ!」
なにそれ……。
「じぁ、唯花は……あたしが嘘ついてるって言いたいの?あたしのこと、信用してないの……?」
「柚姫のこと親友だと思ってた。だけど、隠し事ばっかで何も話してくれない友達よりも、なんでも話してくれる彼氏の方が信用できるよ…っ!!!」
……なんでよ。
あたしたち、親友でしょ?
あたしのこと、好きだって言ってくれたじゃん。
それなのに……。
「…もういい」
唯花なら、あたしの言葉を信用してくれると思っていた。
…バカみたい。
こんなに必死になっても、唯花はあの男をとるんだ。
ママも唯花も…。
どうしてみんな、男に依存するの?
そんなに大切なの…?
あんなクズたち…消えちゃえばいいんだ。
あたしには2人の気持ちが理解できない。
「ほらね、無駄だったでしょ?」
とぼとぼと夕陽に照らされながら歩いていると、後ろから聞こえてくる声。
その声の正体は、一瞬で分かった。
「あと、つけてたの?」
キッと後ろにいる男を睨みつける。
「誰とも付き合わない柚姫ちゃん手に入れるためには、計画的に動くべきでしょ?やっぱりあの子にして正解だわ〜」
……っ!
こんなことのために、唯花を騙して。
挙句あたしは、こんな男に負けたの?
悔しくて、惨めで、なんとも言えない劣等感に襲われた。
「好きっつったら顔真っ赤にさせて、楽勝だったわ〜。女の子ってバカな程度が可愛いね」
「…っ」
ぐっと気持ちを抑えようとするが、もう限界だ。
「死ね」
男の胸ぐらを掴み、殺気を混じえて睨みつける。
すると…
「……ちゅっ」
……え?
今、何が起こったの…?
唇に触れる柔らかい感触。
「奪っちゃった♡」
数センチの距離でにっこり笑う男。
「さいっってい!」
その言葉と同時に、バシンという音が響く。

