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すっかり遅くなっちゃった。
放課後、先生に呼ばれたあたしは、資料整理の手伝いをしていた。
「あれ…」
誰もいないはずの教室に見える人影。
「遅かったじゃん、柚姫ちゃん♡」
その影の正体は、歩夢くん。
「唯花と一緒に帰ったと思ってた」
「ん〜、断っちゃった」
ふーん。
「柚姫ちゃん待ってたんだ」
鞄に荷物を詰めるあたしの隣にくる男。
「ん?」
「柚姫ちゃんってやっぱり可愛いね。この髪、地毛?綺麗な色だね」
髪の毛を一束とると、指に絡めて遊び始める。
「地毛だよ」
…あたしに触らないで。
男に触れられるだけで吐き気がする。
だけど、そんな本心を隠して笑顔で対応する。
「俺さ〜ぶっちゃけ、アイツのことなんかどうでもいいんだよね。柚姫ちゃんさ、俺と付き合ってよ?」
「…え?」
だけど、たった一瞬あたしの仮面が外れた。
…どういう意味?
「唯花のこと、好きじゃなかったの?」
「ああいう子って面倒くさいじゃん。けど、利用しがいはあるよね。おかげで柚姫ちゃんと仲良く慣れたし」
あぁ…。
この男、根っからのクズだ。
なんで揃いも揃って、男っていうのはクズなんだろうか。
こんな男と唯花が付き合ってるだなんて…。
「今すぐ唯花と別れて」
いつもより低い声のトーン。
唯花はあたしにとって大切な親友。
唯花は、この男と付き合って毎日幸せそうだった。本気で好きなんだ。
そんな唯花の思いを…。
……絶対に許さない。

