セカンド レディー



「柚姫ちゃんにね、紹介したい人がいるの。こっち来て」


笑顔を崩さず、手を引きリビングに連れて行かれる。



「初めまして。僕は常陸 徹(ひたち とおる)。今日から君のお父さんになるんだよ。よろしくね」



にっこり微笑む男の人。


黒髪に眼鏡をかけた、40代前半であろう男性。


優しそうな雰囲気を持ち、安心…と言うよりも、不信感の方が強かった。




だって…





「…お父さんって?」



いきなり言う言葉?


しかも、おばさんの口からではなく、今日会った知らない男から。



「そうよ。私たち、結婚するの。柚姫ちゃんのお父さんになるのよ」





満面の笑みで答えるおばさん。



「そう、おめでとう」



結婚という言葉には驚いたけれど、あたしには関係ない。



あたしは、おばさんとも血が繋がった家族ではないし、あたしには父親と言う存在自体必要ない。



あたしにとっての家族と言える人はママだけだから…。



ママ以外の人なんて、どうでもよかった。


ただ、この男のおかげでおばさんの機嫌がいいのはあたしにとっても都合がいい。