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「マジ!?東小の如月柚姫がいるって!」
「さっき廊下ですれ違ったけどすげー美人だった!」
「1年何組!?誰かチェックしてねぇのかよ!?」
それから月日は流れ、あたしは中学校に入学した。
「ゆーずき!」
「きゃっ」
突然誰かに…と言っても、そんなことする子なんて分かってる。
「唯花、突然後ろから抱きつくのやめてって…「そんなことよりさ!」」
そんなこと…?
あたしの中では結構重要な事だよ?
勢いがあるとバランス崩して、転びそうになるんだもん。
「私たち、一緒のクラス!B組だって」
「そっか」
唯花の言葉に、ほんの少しだけ微笑む。
あの日から、ママはあたしのところへ一度も帰って来ていない。
だけど、どこかで生きていると信じてるから。
いつかママが戻って来た日のために。今度は二度と傷つけさせない。そのためにあたしは、強くなるんだ。
誰にも頼らない。
涙なんか見せない。
あたしは1人でも強いんだって証明してみせる。
恐怖も悲しみも苦しみも、そんな感情全部捨てた。
今のあたしに怖いものなんて何も無い。
そんなあたしにとって、唯一の親友である唯花とクラスが離れてもどおってことなかった。
だからこそ、嬉しそうに微笑む彼女に少しだけモヤっとした。

