「どうぞ」
優牙くんが差し出したのは、レモン入りで甘い匂いのする温かい飲み物。
「はちみつレモンの生姜入り。あったまるから飲みな」
にっこりと微笑む彼に「ありがとう」とお礼を言ってそれを受け取り一口飲む。
…甘いのにピリッと刺激がくる。
あたしは、優牙くんが入れてくれるこれが好き。
温かくて、優しい味がする。
「初めて、"助けて"って言ってくれたな……。…ありがとう」
肩に回された腕は、そっと彼の体の方に寄せられた。
繰り返される日々の暴力。
怒り狂った怒鳴り声。
幼い時の記憶は、今でもハッキリと覚えてる。
何度助けを求めても、誰も助けてくれなかったことだって…。
あたしの言葉なんて、誰にも届かないと思ってた…。
「俺も霜華も、みんな柚姫の味方だよ」
「霜華も……?」
そんなはずないよ。
『そんなこと言う人だと思わなかった……』
その言葉は紛れもない本音。
本当のあたしは、イイコなんかじゃない……。
仲良しごっこしか出来ない集まりを、くだらない集団と罵った。
こんなあたし達の関係なんて、
"しょうもない"
その一言で終わらせることが出来るはずなのに……。

