シャワーを浴びながら、鏡に映るあたしを睨む。
服の下まで付けられた無数の痣。
肌が白いだけに余計目立った。
あの時、ママと一緒にお風呂に入っていなかったけど、ママの身体もこんなふうに傷だらけだったのかな……。
あの男から付けられた傷をかき消すように、石鹸で何度も洗った。
ちゃぽん……───
久しぶりのお風呂は温かかった。
冷えきった体が、一瞬で温まるように。
「お風呂ありがとう……」
リビングに行くと、心做しか甘い匂いがした。
ダイニングキッチンにいる優牙くんはゴソゴソと何かをしている。
リビングを見渡すけれど、流牙くんの姿はそこにはもうなかった。
「ソファ座ってて」
あたしに気づいた優牙くんは、そんなことを口にしたけれど、言われたからでなく、自分の意思でソファに腰を下ろした。
不意に視界に入った、ソファの隅に無造作に置かれた大きな猫のぬいぐるみ。
昔、優牙くんと出かけた時にゲームセンターで取ってもらったものだ。
手に取り、ぎゅっと抱きしめると、少しだけ、心が落ち着いた気がした。

