「……何がもく「喋るなつってんだろーがっ」」
「ぅが…っ」
何度も何度も蹴り続けられる体。
痛くて、苦しくて。
だけど、抵抗なんて出来なくて。
うずくまることしか出来ないあたし。
なんで、こんな目に合わなきゃいけないの?
ママは、"この男"からの痛みにずっと耐えていたの…?
何日も、
何ヶ月も、
何年も、
ずっと……。
「今までどこにいやがった…っ!俺から逃げるなんて許さねぇからなっっっ!おい、あのガキはどうした?」
え………。
あの…"ガキ"?
男の言葉に違和感があった。
それって、"あたし"のこと……?
「…まぁいい。"梓姫"、お前は二度と俺から離れられない。ずっと一緒にいようって約束しただろ?」
切なげな顔で口にする女性の名前。
"梓姫"
それは紛れもなく、ママの名前。
この男、あたしをママだと思ってるの…?
必要以上に繰り返される暴力。
ママへの依存。
この男が異常なことぐらい、昔から分かってる。だからこそ、ママがいなくなることで、この男自身も狂ったんだと直観的に感じた。
「……おい、なんだ、その目は。女が俺に逆らうんじゃねぇよっっ!お前は、いつもいつも…大人しく俺の言うことだけきいておけば苦しまずにすむのに」
だけど、その顔は一瞬で元に戻る。
どれぐらい時間がたったか分からない。
あたしは一切の抵抗も許されず、ただ、男にされるがままだった。
男はスッキリしたように部屋から出ていく。
再び1人になった真っ暗な部屋。
体に残る無数の痛み。
暫くは動くことさえ出来ず、ベッドでぐったりと横になっていた。

