「…ん」
重たいまぶたを開けると、そこは真っ暗な部屋の中だった。
「ここ、どこ…」
体を起こすと、ジャラっと音ともに首と手首にひんやりとした違和感に触れる。
「これ…」
なんでこんなものが…?
その正体に気づくと、ゾクッと体が震えた。
それは紛れもない、手枷と鎖に繋がれた首輪。
ヤダ…。
怖い……。
一瞬であたしの心を支配する鎖たち。
誰が、こんなこと……。
「よお、起きたか」
ガチャっと音と共に部屋のドアが開く。
扉の外は光で満たされており、男の顔をみることが出来ない。
だけど、あたしはこの男の声を知っている。
『俺の言うことだけきいとけばいいんだよ』
『お前らに逃げ場なんかねぇんだよ』
あの日々は、幕を閉じたと思っていたのに。
あたしに近づき、不敵に笑う目の前の男は、昔と何一つ変わっていない。
「やっと見つけたぞ」
髪の毛を乱暴に掴むと、無理やり顔をあげさせられる。
「やめ…」
震える声と体。
「喋るんじゃねぇっ!」
怒号を飛ばすとともに頬に走る痛み。
「お前は俺から逃げられない…。昔っからそうだったろ?」
にったり笑う男に、恐怖を覚える。
あの時と何一つ変わらない。
いつも一方的で、あたしの言葉じゃこの男を止めることは出来ない。

