セカンド レディー




桐谷 蓮叶。

それは、あたしもよく知っている名前。

あたしが恨む、男のうちの1人。





「…知ってるんだな」


あたしから何かを察したのか、流牙くんの口がゆっくり動いた。



「…名前だけ、聞いたことあるぐらい」



もう、あんな男のことなんて忘れてしまえばいい。

他の男と同じように、切り捨てればいい。


隠す必要なんてないのに、正直に話してしまえば、何かが終わる気がして出来なかった。




「桐谷は風華の総長だ。最近、仲間が風華に何人もやられてる。目的は、柚姫、お前だ」



「族を潰す為、姫は狙われやすい。単純な話じゃない?」




フッと軽い笑い声が漏れる。

別に珍しい話じゃない。

暴走族間では良くあること。



「単純な話なら良かったんだけどね」


いろはちゃんを撫でながら瞬くんが呟く。

その物言いから、姫としてのあたしではなく、如月柚姫として狙われているということに気づく。



「桐谷本人にやられたヤツが言うには、『柚姫を返せ』それが風華の目的だそうだ」



蓮は暴走族の人間であり、あたしがここにいることに気づいてる。

だからこそ、霜華の人に手を出していることは理解した。


だけど、どうしてあたしのことを…。

あなたは、あたしの事を捨てたでしょ?

今更、なんで……。