*
「フウカって知ってるか?」
4人がシャワーから戻り、再び幹部室に全員が揃うと、真剣そうな目でじっとあたしを見つめる流牙くん。
ふうか…。
フウカ…。
彼が口にした名前を頭の中で復唱する。
「悪いけど、女には興味なぁい」
ソファに体を預け、膝に乗っているいろはちゃんの体をそっと抱き上げる。
んん〜…。
ふわふわで触り心地の良い体。
くりくりのまん丸な目。
…可愛い。
「柚姫ちゃん、フウカって言うのは風の華って書いて"風華"。俺たちがフロストフラワーなら、あいつらは"アネモネ"って呼ばれてる。俺たちと同じ族だよ」
陽向くんが丁寧に説明してくれるけど、
「興味なぁい」
暴走族なんて、そもそもこの地にいくついると思ってんの?
霜華のことすらよく知らなかったあたしが、他の族のこと知るわけないじゃい。
「桐谷蓮叶。この名前に聞き覚えは?」
…え?
流牙くんの発言に、猫を撫でる手が自然と止まる。
なんで、彼のこと…。
思わず、視線を猫から流牙くんの方に向ける。
「にゃぁっ」
あたしの体から飛び降りた猫は、逃げるように瞬くんの方に走った。

