「大丈夫か?」
「ゲホッ...ケホ...」
この声......
流牙くん?
「なんだテメェ!」
「誰に手出してんの?」
男を見る流牙くんの目つきは、"あの"人を殺せそうな鋭い眼。
全身に冷たく突き刺さる氷のような瞳。
「…立てる?」
だけど、それはほんの一瞬で、いつもの彼に戻り、体を支えられながらゆっくりと立ち上がる。
「ありがとう」
「てめぇ!話はまだ「これ以上騒ぐようなら、ケーサツ呼ぶけど?この子は保護される側。おっさんはそういうわけにはいかないでしょ?」」
にっこり笑う彼に、浅沼さんはどんどん青ざめる。
「...チッ。もういいよ、このクソ女。死ね!」
...クソ女に死ねか。
聞きなれた言葉(セリフ)にフッと自嘲気味に笑う。
「すぐそこ、バイク停めてるから。帰るよ」
渡されたヘルメットを被り、バイクの後ろに乗る。
周りには、みんなの姿は無い。
流牙くん1人で、なんでこんなところにいたんだろう…。
勝手に倉庫から出たこと、怒ってるかな…。
「あのさ」
話しかけた言葉はバイクの音で届いていないのか返事が返ってこなかった。

