「ついたよ」
1番近いホテル。
男は慣れたように受付をすませると再びあたしの腰に手を添えた。
「柚花ちゃん、先にシャワー浴びておいでよ」
「あたし、ヤるつもりないよ」
少しだけ声が震えた。
だけど、まだ大丈夫。
あたしは、完璧な如月 柚姫を演じられる。
「え、ここまで来てそれは無いでしょ?」
何冗談いっての?とでも言いたげな顔。
だいたい、あんたが無理やり連れてきたんじゃん。
「あの時間にうろついてたってことは、どーせ泊まるところないんでしょ?野宿したいの?」
「泊まるところはあるよぉ。それにね、ちょっとコンビニに行きたかっただけだから〜」
そうだよ、忘れてたけどあたし今お腹すいてるの。
おにぎりと大盛りパスタ食べたい気分なの。
ツナマヨと梅干しと鮭とミートな気分なんだよ...。
デザートに、チョコプリンも食べたい。
「何か欲しいものでもあるの?買ってくるよ」
…っ!
そうじゃねぇだろ。
なんでそうなるんだよ!?
「今日泊まらせてくれる人にね黙って出てきたの。心配するといけないから帰るね」
さっさと帰ろう。
そして、この男は切ろう。

