セカンド レディー




「柚花ちゃん…?」


フラフラ歩いていると、聞きなれた名前を耳にした。

ゆっくり振り返るとそこにはあの男、浅沼さんの姿。

仕事終わりなのか、ネクタイを緩め、シャツも第1ボタンを開けていた。



「こんなところで会えて嬉しいよ。今日は君からの連絡も来て、運命だね。忙しいみたいだけど、体崩してない?大丈夫?もし良かったらもう少し早く連絡返して欲しいな…なんて」



ペラペラペラよく喋るなぁ。

悪いけど、今は誰とも話したくないし、愛想振りまく気分でもない。


だから、さっさと帰ろうと思った。



「浅沼さん…。すみません、実は恥ずかしい話なんですけど、授業サボりすぎちゃって課題や補習で…」


息を吐くように嘘をつく。

だって、どーせバレないもん。

まぁ、勘のいい人は授業サボっただけでそうなるはずないって疑うだろうけど。


けどね、分かっていても口にしない、遠回しに避けてることに気づいて離れるのが賢い人なの。


まぁ、こんなじじぃすぐ騙されて終わりだけど。