セカンド レディー



「んで、さっきの図が出てくるわけよ。この図とこの表は同じことが書いてあるんだけど、柚姫ちゃんの場合はこっちを見た方がいいよ。んで、ここに補助線いれた方が…」


「んじゃあ、これがこうなるから…sin120°はこれ!」


「そうそう」



瞬くんは、見た目はバカそうなのに教えるのが上手く1回で解くことが出来た。



「そしたら、cosは同じように見るから…こうやって見る!」



「正解、すごいじゃん」



最初は何を書いているのか全く理解出来なかっけれど、やっと理解出来てきた。



「やれば出来んじゃん。えらいぞ〜」



にっこり微笑むとあたしの頭にぽんっと手を置いてよしよし撫でた。



「…ほんと!?えらい?」



こうやって褒められることは滅多にない。


褒め言葉はあたしにとって、あたしのことを受け入れてくれる唯一の言葉。


軽蔑の視線や罵声を浴びることはあっても、褒められることはないため、少しだけ嬉しい。




「…ん?」


まん丸の目をキョトンとさせる瞬くん。




「あ、ごめん…なんでもない。次の問題行こっか」



この間の優牙くんに対しても、あたしは最近気が緩み過ぎてる。



素を出さないように、スキを見せないように気を引き締めなきゃ…。






「…えらいよ」



そう口にする瞬くんの表情は、今までに見たことがないぐらい優しい笑顔だった。


なんで、あたしに対してそんなに優しく微笑むの?





「…うん」



自分から投げかけた言葉なのになんて返すのが正解か分からない。


だけど、どこか喜んでいる自分がいて、はにかみながら相槌を打つ。