「...だから、その言葉だっての」 倒れた机を元に戻し、カバンと散らばった教科書を拾う。 「巻き込んじゃってごめんね」 斜め後ろに座っていたのは女の子。 腰まで伸びた黒色の髪を一つにまとめ、縁の着いた眼鏡をかけている。 化粧はしておらず、この学校ではあまり見ないタイプ。 「あ、あの...えっと...」 何か言いかけた時、授業を知らせるチャイムがなった。 一限目は古文。 絶対に出ないと決めているため、カバンを持って教室を出た。