セカンド レディー


「おかえり、いいもの買えたかい?」


「ただいま♡流牙くんがね、すっごく素敵な部屋着買ってくれたんです。着るの楽しみ〜 」


外れた仮面を戻すように、あたしはもう一人のあたしを演じる。


「良かったね、流牙に言えばなんでも買ってくれるから遠慮せずにいいな」


「はーい♡」


適当に返事したけど、この人ってやっぱり金持ちなんだ…。







「武智さんありがと〜」


倉庫に着くと、いつもより少し高めの声でお礼を言う。



「芝居すんのも大変だな」


低い声でまるで独り言のように呟く流牙くん。

だけどそれは紛れもなくあたしに向けられた言葉。


「今日はありがと」


敢えてその事については触れず、トーンを変えないまま彼にもお礼を言う。