「戻った」
しばらくするとカバンを肩にかけた恭平くんが帰ってきた。
「柚姫その服流牙の?借りたの?」
「そう」
「新しいの買おうな」
うん、絶対恭平くんも内心ダサいって思ってるよ。言葉オブラートに包むって大事。
だけどね、もう諦めてるから。既に笑われてるから平気なの。
「これ、ご飯。どーせ今日何も食べてないんでしょ?」
渡されたのはコンビニのおにぎり3つ、トルティーヤ、ハンバーグ。デザートにはカットりんご。
恭平くんの言う通り、本日は何も食べていない。既にお腹はペコペコ。
しかもさ、さっきまでみんながご飯を食べていたのを知っているから余計に。
「…ありがとう」
好みも量も完璧。やっぱりあたしのことよく分かってるなぁ。