「あ、あの……今泉君」

「横にするぞ」

「えっ?」


抵抗も出来ないままお姫様抱っこの状態で部屋へ運ばれた私は、そう言ってラグの上にお尻を着けられようとした。


「ちょ、ちょっと待って!」


いきなり何!?と驚き、慌てて逃げようとしたんだが。


「寝て!胃の具合が診れないだろ!」

「え…いや、いいよ!」


焦りながら、そんなことしなくてもいい…と体を離そうと腕を伸ばすが、呆気なく横に倒されてしまう。


「いいってば、今泉君!」


此処は病院じゃないから…と体を横を向けようとしても。


「こっち向け」


軍曹モードの彼は腕と肩を押さえ込み、自分の体重を乗せて、ぐっと仰向けの姿勢を取らせてくる。


(こういうのダメって言ってるにぃー!)


少しは聞く耳持て、と言うか、何すんの。


「服捲るぞ」

「いいよ、自分で」


やるから…と言っても間に合わず、さっとセーターの裾を捲り上げてしまう今泉君。


「ちょっと楽にして」

(出来るか!)


こんな状態で楽にとか絶対にムリ。必然的に緊張して、体が強張ってしまう。