キョトンとしてると、Sea you…と英語の教師らしく発音して、ヒラヒラと手を振ってくるではないか。


「駿ちゃん…?」


って言うより、今泉君!?


「ちょっと、下ろして!」


事態に気づいた私は、横抱きされなくても十分歩ける!と足をバタバタさせたけど。


「うるさい!暴れるな!」


耳元でギャーギャー騒ぐなと一喝され、でもぉ…と言いつつもマンションの階段を上がってく彼のするままとなり。


(こういうの困るのに…)


そう思いつつも、彼の優しさが堪らなく胸に突き刺さる。



(今泉君、私…)


きゅん…となりながら顔を俯けた。

もうこれ以上、期待も何もさせないで欲しい。

ドンに顔向け出来ないこと、何もしたくない…と思いつつも、彼の腕の中にいる幸せを感じて、ぎゅっと胸を竦ませた___。