「でも、沙奈としてはモテてほしくないでしょ?
……好きだもんね、一ノ瀬のこと。」

「ブッ…! な、な、なにを言うのさ!」

楓の爆弾発言に、飲んでいたココアを吹き出し
そうになった。
あ、あぶない……。

「あら、いっつも授業中見つめてるじゃな〜い。
私が気づかないとでも思った?」

艶やかな黒髪をさらっと揺らしながら、
悪魔のような微笑みを浮かべる楓。

うん、天使みたいな笑顔だったら
満点だったのになー!!!


「…なにさ!だって優しいんだもん!
いいじゃないか黙って見つめるぐらい!
楓のケチ!」

「いや、ダメとは言ってないけど。
告白は?しないわけ?」

「こここここ告白ぅ!!!???
そんなおこがましい!!
見つめてるだけで十分だから!!
告白なんてしないから!」

ブンブン首を横に振る私を見て、
あっそ、と言う楓。
つ、冷たいっ!