ことの発端は、昨日のこと。

いつも通り授業を受けていた私は、お昼にお弁当を食べていた。

もちろん、一緒に食べてくれる友達はいる!
……友達は少ないけど。


「沙奈、どうかした?」

そう、この子。
さらさらの長い黒髪に、切れ長の綺麗な目。
白い肌。スレンダー。シャープな顎。
なんて、漫画にでも出てきそうなこの美人は、
有村楓。
とにかく美人なの!!!学年で一、二を争うほど!

性格も裏表なくて、サバサバしててすっごく気が合うの!!

「ちょっと沙奈、聞いてる?」

…あ。

「えへへ〜〜。で、どーかしたの?」

「相変わらずよね〜、一ノ瀬湫。」

そう言って楓は視線を前にずらす。
つられて私もその視線を追うと、同じクラスの
一ノ瀬湫が友達とご飯を食べていた。

「相変わらずって、なにが?」

「人気よ。毎日のように告白受けて、男子からも人気あってさ〜。すごいわよね〜!」

「楓もモテてるけどね。」


そう、一ノ瀬湫は、モテる。
さらさらの綺麗な黒髪、二重の綺麗な目、
170cmを超えるモデル体型。
雑誌にでも載ってそうなルックスなの。
おまけに成績は常に5位以内、バスケ部エース。
そのうえ気取ってなくて明るい。

そりゃあ、モテない方がおかしいよ、うん。
私とは生きてる次元が違うんだよ〜!