明日こそ、キミに「好き」を届けます。


手袋越しに伝わってくる桜庭の少し大きな手。


「桜庭……、手離して」


「やだ」


私がお願いすると、桜庭は私の手をさっきよりも強く握りしめてきた。


それはまるで、私にどこにも行ってほしくないみたいに……。


「やだじゃなくて、私……」


「やだ。俺は絶対やだから」


まるでちいさな子どものように、駄々をこねる彼。


かわいい……、ってそうじゃなくて。


「桜庭、私はただ……」


手袋を外して、直でキミの温度を感じたいだけなんだよ……。


……とは言えないから、「手袋を外したいだけだから、一回離して」それだけ言おうと口を開いた次の瞬間──。


「……好きなヤツの手、誰が離すもんか」


ボソッと耳に届いたその声。


「え?」と聞き返すと同時に桜庭のほうを見下ろすと、彼もまた私のほうを見上げていた。


ふたりの視線が交わった次の瞬間、今度ははっきりと力をこめて告げられた。