『はぁー、おもしろ。久々にお腹痛くなるほど笑ったわ……』
『……殴っていい?』
イラッとした私は、握り拳を彼の顔へと近づける。
『おっ、ツンツン期?いいよ、いいよ。話聞いてやる』
だけど、桜庭はそんなことは気にせず、ヘラヘラした様子で私のことを見上げてきた。
『……もういい』
私は呆れて物も言えず、思わずその場から立ち去った。
***
それからというもの。
桜庭は私を見かけると、よく話しかけてくるようになった。
冷たい性格でキツイ言葉を向ける私に、今まで近づく人はひとりもいなかったけど、桜庭はそんなことお構いなしに話しかけてきた。
「うるさい」、「離れて」……そんなことを言っても、「無理。しゃべる」、「やだ」……という言葉を返されるだけ。



