「どうも思わないかな。ただのクラスメイトで、クラスの中ではちょっと目立ってる?って感じ」


それ以外、何も思いつかないくらいジャストな言葉だ。


「っていうか、なんでこんな事、聞いたの?」


一番気になるのはそこだ。


すると、千紘は少し私達の方に身を乗り出し、目を輝かせた。


あ…、この目、面白い話が見つかったときの目だ。


「篠原ね、美波のこと、好きらしいよ」


篠原が私のことを

好・き?






「…………は〜!!???」


ちょっと待って、ちょっと待って

状況がマジで分からない

篠原が私を?


「嘘だよね?」

「実はね…私、篠原に直接聞いたんだよ。そしたら本当だって〜。本人が認めてるからな〜」


え、嘘じゃないの?

待って待って…

…え?

信じていいの?

っていうか、噂されるならちょっとメイワク……?

いや、でもでも、こんな私を好きになってくれている人にメイワクなんか言っちゃ……

でもやっぱり〜……‼


私は声を最小限にして2人にこう言う。


「まだ出席番号順なんだよ?席が‼だから、私が砂野(さの)、篠原で前後なの知ってるよね⁉どうやって自分の席に戻ればいいのかわからなくなるじゃん‼なんで今言ったの〜⁉私だけ意識しておかしくなるよ〜‼せめて席替えしてからが良かったよ〜‼」


自分の考えていることを2人に伝えたくて、一気にこの文を言う。