『かな…大丈夫?』






それから30分ほど医局で休んでいると、たけるがやってきた。






「…うん。」







たけるが隣で、黙って背中をさすってくれる。







「………何もできなかった。」







『うん。』








「私もああなるんじゃないかと思ったら…







怖かった…。」








次第は溢れる涙…。








さらにたけるが強く撫でてくれる。








『大丈夫だから、絶対にかなは大丈夫。』








そんなはずがない…







と心の中で思いながら





「ありがとう…」





と返事をした。






私のここも寿命が来るよね。






心臓に手をやると、小さくトクンと返事をする。





「はぁはぁはぁ」






突然、






息苦しくなって…目の前が揺れ始める。






「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…な…に………
これ。」







『大丈夫、大丈夫。かな落ち着いて。ゆっくり息吸って、ゆっくり吐くよ…』







そんなたけるの声が





次第に遠くなっていった…。