『うん、胸のおとは相変わらずの調子だね。






この音ではもう驚かないけど、悪くなったらすぐ強制送還ね。』








怖いことをサラッと言う椎名先生。







「あ、あの。どういうことですか?」







恐る恐る聞いてみる。






『え?一緒に海外研修。』







へぇ、そうなんだ。いや、違う!







 
「なぜ私の部屋に?」









『それは決まってるでしょ?ダーリンに頼まれたの。』







そのダーリンって…孝治さんのことだな。






あれ?でも私がここに来ることを知ったのは、椎名先生が我が家に来た時のこと。それから応募したのかな…。







色々な疑問が頭に浮かぶけど…。







「えっ!?じゃあ孝治さんの言ってた、日本から一緒に行く私の知ってる先生って。」








『そゆこと。
だから時間のある時は診察するから。よろしく。』






そう言うと、椎名先生は聴診器や血圧計を片付けて、バイビーと言いながら部屋を出ていった。







あぁ、辛口の椎名先生にまた診てもらうことになるとは…。