「聞きたかったのにー」



ユカちゃんが口を尖らせながら言う。



私を困らせようとしてるんじゃなくて、単にユカちゃんが聞きたいだけなのもわかる。



そういうタイプだからこそ、涼真くんも言うんだろうね。



「後で、なんて言われたかまた教えてよね!」



ユカちゃんはやっぱりただ聞きたかっただけみたい。



時と場所を選ばないあたりがユカちゃんらしい。



放課後、いつもはユカちゃんと帰るんだけど、彼氏と帰るらしくて私はひとりで帰ることにした。



バス停でバスを待っていると、後ろから声をかけられた。



「ひとり?誘えよなぁ」



涼真くんだ…。