「隠れるから…パパが迎えに来るまで待つ約束なの」



「パパが来るの?」



「うん、だから大丈夫なの。ママに聞かれたら、パパと帰ったって言ってね」



そうなんだ…それなら安心だね。



「うん」



「ふたりの秘密だよ…」



環奈ちゃんは用具倉庫の中に入って、そのまま何も話さなくなった。



これまで冷たかった環奈ちゃんと、ふたりの秘密…。



なんだかワクワク。



はっ。



私がここにいたらバレちゃうよね?



「真凜ちゃん!」



びくーっ!



涼真くんに見つかってしまった。



「み…見た?」



「何を?」



キョトンとしているし、気づかれてはいないみたい。



「ううん、なにもないよ」



「真凜ちゃん、僕ね…また言い返せなかった。砂場でスコップがなくなって…」



「涼真くんのこと、私はいつも信じてるよ。だから泣かないで?」



「泣いてないもっ…ううっ」