…え?



私の聞き間違いかな。



「環奈ちゃん?」



「鬼は…ママだよ。絶対に見つかっちゃダメなの」



「でも…喋ってて遊んでくれそうにないよ?」



「環奈ね…家に帰りたくないの。ママ、参観日の日はいつも叩くから…いっぱいいっぱい叩かれるの。怖い…」



泣きじゃくる環奈ちゃんの爪はいつものように伸び放題で、ママが切ってくれないのかもとふと思った。



「ひどい!環奈ちゃんかわいそう…」



「先生に当てられて…なにも答えないから恥ずかしいって…環奈はバカだって叩くの…」



「それは怖いよね…」



ギュッと抱きしめると、微かに震えている。