私も急いで後を追う。


「テメー、逃げんなっ!!」


清くんは勢い良くジャンプすると、環奈ちゃんに後ろから飛びついた。


「やめてっ!離して!!」


「うるせーっ。お前だろ、俺のスマホ盗んだの!!」


地面に転がったまま揉み合っている。



ちょっとちょっと!



清くんやり過ぎっ。



「清くん!!だめだよ、環奈ちゃんから離れて」



ふたりの側に追いついた時には環奈ちゃんの制服は砂まみれで、清くんはお構いなしに馬乗りになって上から押さえつけていた。



引き剥がそうとすると、今度は私が清くんに強い力で突き飛ばされた。



「きゃあっ!」



後ろに吹っ飛んで、背中側から転ぶはずが…痛くない!?



気づけば誰かに支えられていて、転ばずにすんだ。