「バス、来るから…」



「だったらそれまで」



涼真くんの温もりと想いが…伝わってくる。



「こんなことして…もう、本気にするよ?」



あたしだって…限界。



こんな風に抱きしめられたら、嬉しくって仕方がない。



気の迷いなんて言葉は聞きたくない。



後で誤魔化しても、知らないから。



「いいよ…」



顔を見合わせて、優しく微笑む。



ずるい…。



きっと、涼真くんよりあたしの方が引かれてる。



記憶なんてないのに…ずっと前から、そうだった気がする。



見つめられると胸がドキドキして、どうしていいかわからなくなる。



抱きしめていた腕を離し、涼真くんが頬に触れただけで体の熱が一気に上がった。



「目…閉じて」



ドキッ。