そっと目を閉じこれから起きようとすることに身構える。


きっとキス…される。


ドキドキ…。


まさか今日、こんな瞬間を迎えるなんて思いもしなかった。


嬉しいような恥ずかしいような…だけど少しの罪悪感。


涼真くんの身辺整理が終わらない限り、あたしたちが穏やかに付き合うことはできなそう。


手を握られて…あたしもギュッと握り返したその時。


突然、物凄い衝撃が背中に走った。



「うっ…」


誰かに押されたみたいでそのまま涼真くんの胸に支えられる。


「真凜っ、大丈夫か!?」


何が起きたの?


目を開けると、ひとりの男が走って行く後ろ姿が見えた。