盛り付けていると、ドアが開いてグミが眠い目をこすりながら入ってきた。
するとラムネを見つけて驚く。
グ「随分と早いんだな、眠れなかったか?」
ラ「い、いえ。目が、覚めたので」
グ「そ。寝れたんならよかったな」
ラ「は、い」
ポ「おはよう、グミ。丁度よかった。もう出来たよ」
グ「あんがと」
僕はラムネと向かい合うようにテーブル席に座ったグミの前に出来上がったばかりの朝食を置いた。
同様にラムネの前にも朝食を置く。
ラムネは目を輝かせてその1つ1つを見つめていく。
まるでどれも食べたことがないように。
グ「ほぉへひのご飯はホントおいひいよ」
グミはロールパンを頬ばりながら僕に向かってそう言う。
ポ「食べながら喋らないの、グミ」
グ「おう」
ポ「ったく...。どう、ラムネ?」
半ばグミに呆れながらも、茶碗を持ってマジマジと料理を見つめているラムネに声をかけた。
ラムネは恐る恐るゆっくりと箸を運んで、白米と鮭を1口ずつ口の中に入れた。
ラ「美味しい」
偽りのないラムネの本音を聞いた気がした。
これ以上にない喜びが僕の中に渦巻いた。
ラムネは少しだけ嬉しそうにどんどん食事を口へと運んでいく。
その様子を微笑ましくグミと見つめていた。
グ「お前、和食好きなんだな」
ラ「ほ、んとうに美味しいです」
ポ「嬉しいな。ラムネにそう言って貰えて!」
グ「俺が言うよりも嬉しそうだよな〜」
ポ「ええー、そんなことないよ」
ク「あら、楽しそうね」
キ「おっはよー!」
いつの間にか、クッキーとキャンディが店の中へ笑いながら入ってきた。
キ「いい匂いだねぇ!ポテチ、早くちょーだい!」
ポ「うん、今用意するよ」
ク「先に降りていたのね、ラムネ」
ラ「お、おはようございます。す、みません」
ク「いいのよ。それよりポテチのご飯はどう?」
ラ「とても、美味しいです」
ク「うふふ。良かったわ」
クッキーが嬉しそうに微笑む。
そしてすぐにグミが立ち上がり、空になった食器をキッチン前へと持ってきた。
グ「ごちそーさま。じゃ、行ってくる」
キ「あれ、もー行くの?グミ」
グ「おー、じゃあまたな」
ク「気をつけてね」
ポ「行ってらっしゃい」
ラ「い、行ってらっしゃい...?」
グ「おう」
ぎこちない挨拶でラムネもグミにそう言った。
グミは少し嬉しそうに笑って店を出て行った。
学生はやっぱり大変だね…。
少し前まで自分も学生だった頃なんて忘れて、僕はキャンディとクッキーの分の朝食を運んだ。
キ「うわぁ!美味しそー!ボク、お腹空いた!」
ク「ありがとう、ポテチ」
ポ「うん」
ラ「え、と...ご、ごちそ?」
ポ「あ、そっか。食べ終わったらね、ごちそうさまでしたって言うんだよ。食べ物に感謝する挨拶のことで、食べる前はいただきます、って言うんだ」
ラムネはキョトンとしながらも僕の説明をしっかりと聞いてくれ、それから頷いた。
まさか、いただきますも知らないなんてな。
多分その疑問はキャンディやクッキーも抱いてると思う。
ラ「ごちそうさまでした」
ポ「はい。お粗末さまでした」
ク「いただきます」
キ「いっただきまーす!」
ほぼ反対に挨拶をし終えて、キャンディとクッキーはラムネと顔を見合わせてクスクス笑った。
ラムネはまだ遠慮がちだったけど。
グミやラムネの食べ終えた食器を洗い場に置いて、自分の分の朝食をクッキーたちと同じくテーブルに置く。
キ「んー、美味!」
ク「また腕を上げたんじゃない?ポテチ」
ポ「ほんと?嬉しいな」
キ「ラムネもこっち座んなよー!」
ラ「え、でも...」
ク「大丈夫よ、おいで」
ラ「私、食べて、ないです」
ポ「テーブルは食べる時にも使うけど、こうして人と話す時にも使うんだよ」
ラ「そう、なんですか?」
キ「おいでおいでー!」
ク「朝からよくそんな元気出るわね、キャンディは」
キ「それも若さの秘密だよ?」
ク「ほぼ歳変わらないじゃない」
キ「えー?」
ポ「あ、そうそう。うちは9時開店だから、覚えておいてね。その前に準備しないといけないから」
ラ「は、い」
キ「ラムネには仕事も覚えてもらわないとね!」
ラ「仕事、ですか?」
ク「皆それぞれ仕事があるの」
ポ「さっき言ったように僕は料理人。クッキーはホール兼副オーナー。キャンディは設計デザイン兼ホール補佐。チョコはバーテンダー。ガムはホール兼オーナー。グミはホールなんだ」
ラ「ほ、ホール?せ、けい?」
キ「ホールはお客さんの注文を聞く人の事だよ」
ク「お客さんが欲しいって言ったものを覚えて、キッチンにいるポテチやチョコに教えるの」
ラ「それがホール...?」
ポ「うん。主にラムネの仕事になると思うから」
ラ「はい、分かりま、した」
キ「ちなみに!設計デザインってのは、この店全体のデザインを考える人のこと!ボクはこのTreatを造ってる張本人なんだー!」
ラ「き、キャンディさんが?」
キ「うん!そーだよ!この灯りの付け方とかテーブルの配置とかレンガの使用個数とか!その他もろもろ、ボクが決めたんだよ!」
ク「キャンディのセンスは抜群なの。だからガムも店自体のことはキャンディに任せているのよ」
ポ「いっそのこと、ファッションデザインでもしたらって僕は言ってるんだけどね」
キ「だって、ボクのセンスをまともに取り入れてくれるまでにどれくらいの時間がいると思うの?ずーっとボクの才能を知らない人間について、機会をうかがうなんてボクには無理。それに、ここの方が圧倒的に楽しいしねー!」
キャンディは悪戯に笑う。
無邪気な子供のように見えるその笑顔からは成人男性という雰囲気を全くもって感じさせない。
初めて会った時、僕、キャンディのこと女の子だと思ってたんだよなぁ。
今になってみると、そう考えるのも仕方なかったかも。
キャンディって人懐っこいし、見た目も可愛いらしいからそう思われがちだし。
本人はすごく嫌がってるけど。
するとラムネを見つけて驚く。
グ「随分と早いんだな、眠れなかったか?」
ラ「い、いえ。目が、覚めたので」
グ「そ。寝れたんならよかったな」
ラ「は、い」
ポ「おはよう、グミ。丁度よかった。もう出来たよ」
グ「あんがと」
僕はラムネと向かい合うようにテーブル席に座ったグミの前に出来上がったばかりの朝食を置いた。
同様にラムネの前にも朝食を置く。
ラムネは目を輝かせてその1つ1つを見つめていく。
まるでどれも食べたことがないように。
グ「ほぉへひのご飯はホントおいひいよ」
グミはロールパンを頬ばりながら僕に向かってそう言う。
ポ「食べながら喋らないの、グミ」
グ「おう」
ポ「ったく...。どう、ラムネ?」
半ばグミに呆れながらも、茶碗を持ってマジマジと料理を見つめているラムネに声をかけた。
ラムネは恐る恐るゆっくりと箸を運んで、白米と鮭を1口ずつ口の中に入れた。
ラ「美味しい」
偽りのないラムネの本音を聞いた気がした。
これ以上にない喜びが僕の中に渦巻いた。
ラムネは少しだけ嬉しそうにどんどん食事を口へと運んでいく。
その様子を微笑ましくグミと見つめていた。
グ「お前、和食好きなんだな」
ラ「ほ、んとうに美味しいです」
ポ「嬉しいな。ラムネにそう言って貰えて!」
グ「俺が言うよりも嬉しそうだよな〜」
ポ「ええー、そんなことないよ」
ク「あら、楽しそうね」
キ「おっはよー!」
いつの間にか、クッキーとキャンディが店の中へ笑いながら入ってきた。
キ「いい匂いだねぇ!ポテチ、早くちょーだい!」
ポ「うん、今用意するよ」
ク「先に降りていたのね、ラムネ」
ラ「お、おはようございます。す、みません」
ク「いいのよ。それよりポテチのご飯はどう?」
ラ「とても、美味しいです」
ク「うふふ。良かったわ」
クッキーが嬉しそうに微笑む。
そしてすぐにグミが立ち上がり、空になった食器をキッチン前へと持ってきた。
グ「ごちそーさま。じゃ、行ってくる」
キ「あれ、もー行くの?グミ」
グ「おー、じゃあまたな」
ク「気をつけてね」
ポ「行ってらっしゃい」
ラ「い、行ってらっしゃい...?」
グ「おう」
ぎこちない挨拶でラムネもグミにそう言った。
グミは少し嬉しそうに笑って店を出て行った。
学生はやっぱり大変だね…。
少し前まで自分も学生だった頃なんて忘れて、僕はキャンディとクッキーの分の朝食を運んだ。
キ「うわぁ!美味しそー!ボク、お腹空いた!」
ク「ありがとう、ポテチ」
ポ「うん」
ラ「え、と...ご、ごちそ?」
ポ「あ、そっか。食べ終わったらね、ごちそうさまでしたって言うんだよ。食べ物に感謝する挨拶のことで、食べる前はいただきます、って言うんだ」
ラムネはキョトンとしながらも僕の説明をしっかりと聞いてくれ、それから頷いた。
まさか、いただきますも知らないなんてな。
多分その疑問はキャンディやクッキーも抱いてると思う。
ラ「ごちそうさまでした」
ポ「はい。お粗末さまでした」
ク「いただきます」
キ「いっただきまーす!」
ほぼ反対に挨拶をし終えて、キャンディとクッキーはラムネと顔を見合わせてクスクス笑った。
ラムネはまだ遠慮がちだったけど。
グミやラムネの食べ終えた食器を洗い場に置いて、自分の分の朝食をクッキーたちと同じくテーブルに置く。
キ「んー、美味!」
ク「また腕を上げたんじゃない?ポテチ」
ポ「ほんと?嬉しいな」
キ「ラムネもこっち座んなよー!」
ラ「え、でも...」
ク「大丈夫よ、おいで」
ラ「私、食べて、ないです」
ポ「テーブルは食べる時にも使うけど、こうして人と話す時にも使うんだよ」
ラ「そう、なんですか?」
キ「おいでおいでー!」
ク「朝からよくそんな元気出るわね、キャンディは」
キ「それも若さの秘密だよ?」
ク「ほぼ歳変わらないじゃない」
キ「えー?」
ポ「あ、そうそう。うちは9時開店だから、覚えておいてね。その前に準備しないといけないから」
ラ「は、い」
キ「ラムネには仕事も覚えてもらわないとね!」
ラ「仕事、ですか?」
ク「皆それぞれ仕事があるの」
ポ「さっき言ったように僕は料理人。クッキーはホール兼副オーナー。キャンディは設計デザイン兼ホール補佐。チョコはバーテンダー。ガムはホール兼オーナー。グミはホールなんだ」
ラ「ほ、ホール?せ、けい?」
キ「ホールはお客さんの注文を聞く人の事だよ」
ク「お客さんが欲しいって言ったものを覚えて、キッチンにいるポテチやチョコに教えるの」
ラ「それがホール...?」
ポ「うん。主にラムネの仕事になると思うから」
ラ「はい、分かりま、した」
キ「ちなみに!設計デザインってのは、この店全体のデザインを考える人のこと!ボクはこのTreatを造ってる張本人なんだー!」
ラ「き、キャンディさんが?」
キ「うん!そーだよ!この灯りの付け方とかテーブルの配置とかレンガの使用個数とか!その他もろもろ、ボクが決めたんだよ!」
ク「キャンディのセンスは抜群なの。だからガムも店自体のことはキャンディに任せているのよ」
ポ「いっそのこと、ファッションデザインでもしたらって僕は言ってるんだけどね」
キ「だって、ボクのセンスをまともに取り入れてくれるまでにどれくらいの時間がいると思うの?ずーっとボクの才能を知らない人間について、機会をうかがうなんてボクには無理。それに、ここの方が圧倒的に楽しいしねー!」
キャンディは悪戯に笑う。
無邪気な子供のように見えるその笑顔からは成人男性という雰囲気を全くもって感じさせない。
初めて会った時、僕、キャンディのこと女の子だと思ってたんだよなぁ。
今になってみると、そう考えるのも仕方なかったかも。
キャンディって人懐っこいし、見た目も可愛いらしいからそう思われがちだし。
本人はすごく嫌がってるけど。

