どうせバイトをするならこんなところだと素敵だなあ。

歩きながらそんなことを呑気に考えていた――ら、お店の大きな窓に”スタッフ募集”の張り紙を発見したわたしは、なんて幸運だったんだろう。


張り紙に記載されていた電話番号にすぐに連絡をして、言われたとおり履歴書を持参して面接に向かった。

このときの行動力は後にも先にもないかもしれない。



生まれて初めての面接はひどく緊張した。
手汗は半端じゃないし、支離は滅裂。
頭が真っ白ってこういうことなんだろう。

今それらを思い出すと、恥ずかしさで顔が赤くなる。




…………落ちた。
絶対に合格の電話なんて来ない。もうあのお店の前、通れない。

せめて面接を受ける前に一人でカフェすればよかった――…!