その翌週、私は面倒なことを頼まれた。

「今度の休みに俺の部屋、片付けるの手伝って下さい…」

ランチ時のオフィス街にある定食屋で目の前にいる、気まずそうな堀井さんが言った。

「嫌です。お断りします」と手元のお冷やをグビッと飲んで彼を軽く睨む。

「親が…実家からの日曜に来るんだけど、俺の部屋に泊まる事になって。
俺の部屋、本当に汚くて」

あんな立派なマンションに一人住まいで何を言うか!と思う反面、薄々…いや、かなり思っていた。

絶対家の中、散らかってるだろうなって。