水色で柴犬が描かれた私のコーヒーカップをデスクに置いてくれた岩井は、なぜか隣の席に座った。隣は二年上の先輩社員の席だが、今日は直行で取引先に向かう予定となっている。
だけど、空いているからといって、なぜだろう?
岩井のコーヒーカップは膨大コーヒーショップのロゴが入ったものだ。それを隣のデスクに置いて、じっと私を見ている。
パソコンにパスワードを入力してから、チラリと岩井を見ると、案の定目が合う。
「なによ? どうしたの?」
「いや、あー……」
なにかを言いかけたが、視線をコーヒーカップに移してひと口飲む。
岩井の言葉を待つしかなく、私もコーヒーを口に含む。
まだ始業時間まで30分あって、出社してきている社員は半分くらい。朝の挨拶が遠くで聞こえるだけで、静かだ。
岩井はちょいちょいと小さく手招きをして、こちらに体を寄せる。私にも同じように寄せた。
「今夜、一緒に食べない?」
「うん、いいけど」
「じゃ、帰りに。よろしく」
「あー、うん」
だけど、空いているからといって、なぜだろう?
岩井のコーヒーカップは膨大コーヒーショップのロゴが入ったものだ。それを隣のデスクに置いて、じっと私を見ている。
パソコンにパスワードを入力してから、チラリと岩井を見ると、案の定目が合う。
「なによ? どうしたの?」
「いや、あー……」
なにかを言いかけたが、視線をコーヒーカップに移してひと口飲む。
岩井の言葉を待つしかなく、私もコーヒーを口に含む。
まだ始業時間まで30分あって、出社してきている社員は半分くらい。朝の挨拶が遠くで聞こえるだけで、静かだ。
岩井はちょいちょいと小さく手招きをして、こちらに体を寄せる。私にも同じように寄せた。
「今夜、一緒に食べない?」
「うん、いいけど」
「じゃ、帰りに。よろしく」
「あー、うん」

