くりっとした猫目が特徴的な桃華は、楽しそうに笑う。
「璃子ったら、焦っていてかわいー。岩井くん、今年は受け取ってくれるんじゃない?」
「そうだといいけど」
桃華も彼女がいたときの岩井がどんなチョコでも一切受け取らなかったことを知っている。
去年は彼女と別れたあとだったけど、岩井のひどい落ち込みぶりに誰もあげることは出来なかった。私ももちろん。
バレンタインデーの朝。吹く風は冷たいが、空は青く空気は澄んでいた。勤めるオフィスビルを見上げてから、ロビーへと足を踏み入れる。
ブラウンの大きめなショルダーバッグにチョコは忍び込ませている。
絶対渡すと決めている。断られたら、持ち帰るしかないけど、渡すという作業は行う。がんばろう。
「おはようございます」
「おっ、おはよう。奥田も飲む?」
「うん、ありがとう」
壁際に設置されているコーヒーメーカーのポットを持っていた岩井は、ちょうどコーヒーを注ぐところだったらしく私の分まで入れてくれた。
「璃子ったら、焦っていてかわいー。岩井くん、今年は受け取ってくれるんじゃない?」
「そうだといいけど」
桃華も彼女がいたときの岩井がどんなチョコでも一切受け取らなかったことを知っている。
去年は彼女と別れたあとだったけど、岩井のひどい落ち込みぶりに誰もあげることは出来なかった。私ももちろん。
バレンタインデーの朝。吹く風は冷たいが、空は青く空気は澄んでいた。勤めるオフィスビルを見上げてから、ロビーへと足を踏み入れる。
ブラウンの大きめなショルダーバッグにチョコは忍び込ませている。
絶対渡すと決めている。断られたら、持ち帰るしかないけど、渡すという作業は行う。がんばろう。
「おはようございます」
「おっ、おはよう。奥田も飲む?」
「うん、ありがとう」
壁際に設置されているコーヒーメーカーのポットを持っていた岩井は、ちょうどコーヒーを注ぐところだったらしく私の分まで入れてくれた。

