クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

「これは……」

一寸の曇りもない傷ひとつないその指輪は、見覚えのある紋章が刻まれた王家の真新しい王家の指輪だった。

アンナは信じられない面持ちで目を見開きそれを見つめる。

「私はこの指輪にすべてを誓う。これでお前もランドルシア王国の王族だ。私の妻としてな」

すると、固唾を飲んで国王のプロポーズの様子を見守っていた人々から歓声の声がわっとあがった。

「ああ、アンナ……」

ホッとした表情でジークがすっと立ち上がると、いまだに戸惑いを隠せないアンナをやんわりと抱きしめた。

「私、もう……幸せ過ぎて……ジーク様の妻に私がなれるなんて、信じられない……これが夢なら覚めないで欲しいのに」

心の声が思わず言葉になって漏れると、ジークが頭上で小さく笑った。

「これが夢なら、一生覚めないように眠り続けたい」

うっとりとしながらアンナはゆっくりとジークを見上げる。

「これで私たちは公認の仲になったな」

「はい……」