※ ※ ※
アンナは自分の姿を鏡に映しながら、今までにないくらい緊張していた。
今夜、ランドルシア城で延期になっていた舞踏会が行われる。
初老の侍女に手伝われ、ジークが用意したドレスに身を包み、アンナの頬もそのドレスと同じ薄桃色に紅潮していた。
(ああ、ジーク様が仕立ててくださったドレスを着られる日が来るなんて……夢のようだわ)
そろそろジークが迎えに来る時間だ。
(このドレス姿を見てなんて言うかしら、やっぱり似合わない。だなんて思われたら……)
あれこれ考えていると急に胸がドキドキと高鳴りが増していった。
「あ、あの! 私、どこかおかしなところはないですか?」
「いいえ、とてもお似合いでお美しいですよ」
気持ちが落ち着かなくて何度も同じ質問をしてしまう。ドレスの着付けを手伝ってくれた侍女はそれでも困った顔ひとつぜず「美しい」と答えてアンナを絶賛した。
(あぁ、どうしよう。緊張する! ダンスなんて、何年ぶり? ちゃんとうまく踊れるか……)
髪の毛を紫水晶の髪飾りをつけて、久しぶりにアップにまとめているせいか項が心もとない。大胆に開かれたデコルテには優しい光をたたえた真珠の首飾りが輝いていた。ちらりとドレスで隠れている胸元を指で広げてみると、昨夜の情事を彷彿とさせる赤い印が見えてハッとなる。
アンナは自分の姿を鏡に映しながら、今までにないくらい緊張していた。
今夜、ランドルシア城で延期になっていた舞踏会が行われる。
初老の侍女に手伝われ、ジークが用意したドレスに身を包み、アンナの頬もそのドレスと同じ薄桃色に紅潮していた。
(ああ、ジーク様が仕立ててくださったドレスを着られる日が来るなんて……夢のようだわ)
そろそろジークが迎えに来る時間だ。
(このドレス姿を見てなんて言うかしら、やっぱり似合わない。だなんて思われたら……)
あれこれ考えていると急に胸がドキドキと高鳴りが増していった。
「あ、あの! 私、どこかおかしなところはないですか?」
「いいえ、とてもお似合いでお美しいですよ」
気持ちが落ち着かなくて何度も同じ質問をしてしまう。ドレスの着付けを手伝ってくれた侍女はそれでも困った顔ひとつぜず「美しい」と答えてアンナを絶賛した。
(あぁ、どうしよう。緊張する! ダンスなんて、何年ぶり? ちゃんとうまく踊れるか……)
髪の毛を紫水晶の髪飾りをつけて、久しぶりにアップにまとめているせいか項が心もとない。大胆に開かれたデコルテには優しい光をたたえた真珠の首飾りが輝いていた。ちらりとドレスで隠れている胸元を指で広げてみると、昨夜の情事を彷彿とさせる赤い印が見えてハッとなる。



