リディアがいなくなると再び静寂が部屋に訪れる。その静けさがアンナの気持ちを鬱々とさせていった。それから一時間、二時間と時間だけが過ぎていく――。
(今夜ここを出て、タンブル王国へ行ったら……ああ、どうしよう)
考えるだけでも鳥肌が立つ。いまさら後悔しても仕方がないのはわかっているが、あの時、安易に製薬室へ行かなければ……リデルの異変に気づいていれば……と思うと、情けなくて惨めな気持ちに苛まれる。そして、ついに耐え切れなくなってアンナは落胆のため息とともに両手で顔を覆った。
(どうしてこんなことに……)
閉じ込められたまま何もできないことが歯がゆい。
なんとか冷静さを保つべく無意味に部屋の中を行ったり来たりしていたその時、ドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します」
アンナはついにこのときが来てしまったのだ、と肩を震わせ顔をあげた。張り詰めた緊張に不安と恐怖が絶え間なく襲いかかってくる。しかし、部屋に入って来たのはベアトリクスではなく、アンナと同じ年頃の娘だった。
(え……? どういうこと?)
(今夜ここを出て、タンブル王国へ行ったら……ああ、どうしよう)
考えるだけでも鳥肌が立つ。いまさら後悔しても仕方がないのはわかっているが、あの時、安易に製薬室へ行かなければ……リデルの異変に気づいていれば……と思うと、情けなくて惨めな気持ちに苛まれる。そして、ついに耐え切れなくなってアンナは落胆のため息とともに両手で顔を覆った。
(どうしてこんなことに……)
閉じ込められたまま何もできないことが歯がゆい。
なんとか冷静さを保つべく無意味に部屋の中を行ったり来たりしていたその時、ドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します」
アンナはついにこのときが来てしまったのだ、と肩を震わせ顔をあげた。張り詰めた緊張に不安と恐怖が絶え間なく襲いかかってくる。しかし、部屋に入って来たのはベアトリクスではなく、アンナと同じ年頃の娘だった。
(え……? どういうこと?)



