クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

「ソフィアに会ったか?」

ふと、そんな沈黙を破るようにジークに尋ねられる。ソフィアとは、先ほどの女性のことだろうが会って話をしたわけではない。

「いいえ。私のいた場所とは別の方向へ行かれたようでしたので……あの方は?」

「彼女は国王となった私の後を引き継いだ軍医だ」」

なるほど。だから女性でありながら剣を携えていたのか、とアンナは納得がいった。

「今しがたここで話していたことも聞こえていたのだろう?」

「すいません。立ち聞きするつもりはなかったんですけど……でも、会話の内容まではわかりませんでした」

隠すつもりもなく、アンナはそう正直に答えた。