クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

そしてその翌週。

ここのところずっと晴天続きだったが、今日は珍しく朝からどんよりとした天気だった。
調理場で少し多めにサンドイッチを作っていると。

「アンナ、こんな天気の悪い日にピクニックかい?」

今にも雨が降りだしそうだというのに、出かける準備をしているアンナをマーヤは不思議そうに見つめた。

「ええ、ちょっと約束があって」

「ははーん、さてはデートだな?」

「ち、違います!」

マーヤの横からニヤニヤ顔のウィルに言われて、ついムキになる。すると、その反応がおかしかったのか、ウィルは笑ってアンナの肩を叩いた。

「まぁ、頑張ってこい。アンナのサンドイッチに堕ちねぇ男はいないからな」

「もう! そんなんじゃないんですってば!」

散々からかわれてアンナは顔を真っ赤にしながら、約束の時間に間に合うように調理場を出た。