クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

そんな特別なものを初めて会ったというのに見せてくれたなんて、とアンナは目を丸くした。

「なぜだか、あんたには見せたいと思ったん――げほっ」

そのとき、マーカスがげほげほと咳き込み、口元を手で押さえた。

「大丈夫ですか!?」

アンナは丸くしたその背中をさすった。サンドイッチが喉に詰まったのかと思っていると、マーカスが大きく深呼吸して落ち着きを取り戻す。

「ああ、すまない。大丈夫だ」

マーカスは苦笑いしながら、ふぅっと息を吐いた。