よろよろとアンナの支えを頼りに老人が立ち上がる。足腰も悪いようだ。わざわざそんな脆弱な老人をどかさずとも自分が避けて通ればいいものをと、アンナはミューラン卿の傲慢な態度に怒りを覚えた。
「大丈夫ですか? あ、腕から血が……」
転んだ拍子に腕をひどく掠ってしまったようだ。じわじわと傷口から血が滲んでいく。血を見ることが苦手なアンナは、ごくりと喉を鳴らして思わず目を反らした。
「ああ、大丈夫だよ。ありがとう」
貴重な食料を踏み潰されても笑顔になるその老人にアンナは胸が痛んだ。
「あの、私、サンドイッチをそこで食べていたんですけど……よかったらご一緒しませんか? あ、私はアンナって言います。怪我の手当もしなきゃ」
後味の悪さを吹き飛ばすような明るい笑顔で言うと、老人は驚いて目を見開いた。
「大丈夫ですか? あ、腕から血が……」
転んだ拍子に腕をひどく掠ってしまったようだ。じわじわと傷口から血が滲んでいく。血を見ることが苦手なアンナは、ごくりと喉を鳴らして思わず目を反らした。
「ああ、大丈夫だよ。ありがとう」
貴重な食料を踏み潰されても笑顔になるその老人にアンナは胸が痛んだ。
「あの、私、サンドイッチをそこで食べていたんですけど……よかったらご一緒しませんか? あ、私はアンナって言います。怪我の手当もしなきゃ」
後味の悪さを吹き飛ばすような明るい笑顔で言うと、老人は驚いて目を見開いた。



