クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

レオンと話していたらすっかり出遅れてしまった。

(早くしないと時間がもったいないわ)

すでに昼を過ぎ、急いで調理場でサンドイッチを作るとアンナは手提げのバスケットに詰め込み、王都にあるラメスの噴水広場へ向かった――。

(レオン様って、いつもあんな感じなのかしら……)

優しくにこやかに笑うけれど、その笑顔には裏があるように感じた。根拠はないがなんとなくレオンは近づいてはいけない人物のように思えてならなかった。

悶々としながらひたすら歩いていると、いつの間にか広場前までやって来た。

天気がいいせいか広場にはいつもより店が立ち並んでいて、人通りも多く高揚感を煽られるような賑わいを見せている。

(王都の中心街はいつ来ても賑やかね。みんな楽しそう)

子どもが母親と手と繋いで歩く仲睦まじい姿や、大道芸の芸に呆気にとられる人々、そんな光景を眺めているだけで胸が弾む。