クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす

「そっか、残念。まぁ、無理強いはしないけど……あ、丘を下った森にある湖にはあまり行かない方がいいよ」

「湖? 湖があるんですか?」

アンナはここへ来て忙しい日々を送っていたため、ランドルシア城の敷地内をすべて散策する時間もなかった。レオンから湖の存在を聞かされると、まだまだ未開の地がたくさんあるように思えた。

「そうだよ。幽霊が出る湖だ」

「えっ……」

レオンが囁くようにこそっと小さく言った。「幽霊」と聞いて、アンナの顔が強張る。

「あっははは、君って本当に面白い子だね」

その表情を見たレオンは声をあげて笑った。

(な、なによ。笑わなくったって……幽霊だなんて聞いたら誰だって……)

アンナはムッとして心の中でぶつぶつ言いながら口を尖らせた。